少し前にオリンピック・パラリンピックの音楽担当だった方の過去のイジメについて、大きなニュースになりました。今回は小学生のいじめについて書きたいと思います。
いじめは低年齢化しており、以前は中学1年生くらいがピークだったようですが、最近では小学校2年生くらいがいじめが起こるピークのようです。
現在小2のうちの娘は不安が強く、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)※のため学校の中でお話することができません。2年生から支援級に在籍しています。
私は娘が小1の頃から毎日欠かさず登下校に付き添っていて、1年生の頃は先生が来るまで毎朝教室の中にいさせてもらってました。
そのため、いまだにクラス全員の子が覚えきれないというお母さんが多い中、私は入学してすぐに全員の顔と名前が一致し、先生でも親でもなく、毎朝いるおばさんとしてわりと子どもたちと近い立場で接することができました。
その中で、1年生でも先生がいない所でいじめのようなことをしている場面を何度も見たし、娘がいじめのターゲットになる事もありました。
親なら誰でも、自分の子がいじめる側にもいじめられる側にもなってほしくないと願っていると思います。
今回は、自分の子どもをいじめから守るために親として何をすべきか考えてみました。
いじめられる子の特徴・原因
うちの娘はいじめのターゲットになりやすいタイプです。
場面緘黙症で支援級に在籍しているという他の子と違う部分があるからです。
「学校で話せない」というのも、普通に話せる子からしたら理解しづらいし、喋れないため嫌な事をされたり言われたりしても言い返すことができません。
一年生の頃は、鬼ごっこやかくれんぼの際にずっと鬼をやらされたり、何人かの子に集中して雪玉を投げられたりなど、いじめといっていいのかどうか微妙ですが、止めなければエスカレートしてひどいいじめになりそうなことが多々ありました。
これが原因で、学校の休み時間が一番苦痛だったようです。
毎日登下校に付き添っていたり、学校であったことを細かく聞いて先生にも話していたのでひどいいじめには発展しませんでしたが、何もしていなかったらいじめがエスカレートして不登校になっていたんじゃないかと思います。
休み時間ずっと鬼をやらされるとかは、他の支援級の子もされたと言っていて支援級に在籍している子にとってはあるあるみたいです。
発達障害だったり、個性が強かったり、他の子と違う部分があるといじめの対象になりやすいです。
それについて先日こんなツイートをさせていただいたのですが、
>日本は「溶け込めない人間」に対して、非常に冷たい社会
入学後担任はいつも「みんな○○だけど○○ちゃんは~」と話すし、学年通信もいつも「みんなとても楽しんでいました」と。
みんなって誰?と違和感しかなかった。
少し経つと子ども達まで「○○ちゃんだけ違う」が口癖になり恐ろしいと思った https://t.co/5c1tBiFVfh— 本田リオ@母子移住ライター (@rio_HMP) June 4, 2021
小学校に入学したころから毎日見ていて、少しずつ子どもたちが「みんな」と違う人を排除するようになるのを感じていました。
学校の帰り道などに、一人だけ違うことをしている子をみんなで必要以上に責めている場面などをよく見るようになりました。
そしてそれ以前に、学校や先生がやたらと「みんな」と子ども達をひとくくりにしたり、そこからちょっとでもはみ出すと問題視することに違和感を感じていました。
こんなふうに、学校の中で無意識にみんなと違う人を排除する心理を子どもに植え付けてる気がします。
そしてそれがいじめのもともとの原因になっている気がします。
アインシュタインの言葉で、「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない」という言葉があります。
娘が通っているのは田舎の公立小学校なので、先生も地元から出たことがない人が多いです。だから偏った常識の中で、より「みんな」と違う人に厳しいし、自分と違う常識を受け入れられない人も多いです。
娘にはそのようになってほしくないと思っています。なので、学校以外の場所でなるべく多様な文化や人に触れる機会をあたえて、いろんな常識があるということを知ってもらいたいです。
子どもがいじめられてるかも?と思ったら【学校任せにしない】
最近は学校でもいじめに関して厳しく見てくれていると思いますが、それだけではなかなか防げないかなと思っています。
娘のクラスでも、最近いじめについて一人ひとりアンケートの紙に書いたり、担任と子ども全員が1対1で面談する機会があったそうです。
ただ、他の子はわかりませんが、いじめのアンケートは丁寧に行っても、その後の対応がちゃんとされていない気がします。
うちの娘の場合、毎日嫌がらせをしてくる子がいて悩んでいたので、いじめのアンケートの紙に書いたそうです。
でもその後も状況が変わらず、「今日はこんなことをされた」と毎日話してくるので、支援級の先生に私の方から連絡帳で相談しました。するとすぐにその子に注意してくれ、とりあえずはおさまっているようです。
ただ、注意されてもふてくされていたようで、また少し経ったら同じことをしたり、今度は別の子に嫌がらせをしたりするかもしれないなと思っています。
いじめる子も何かしら不満やストレスがあってそういう行動に出てしまうと思うので、やったことだけを注意しても、根本の解決にはなっていない気がします。
学校の対応で、いじめた子といじめられた子を握手させて仲直りさせるとかも聞きますが、何の解決にもなっていませんよね。
このように、いじめがあったときの学校の対応については、あまり期待しない方が良いのかなと思います。
うちの場合は毎日登下校に付き添っているため、いじめのような場面があればその場で注意して防いだり、子どものクラスの子達と毎日顔を合わせて仲良くなっておくことで、自分の子がいじめられにくくなるように感じています。
付き添いまではしなくても、ちゃんと親が子どもの状況を把握するため、いじめられたりした時に話しやすい環境を作っておくことが大事だと思います。
子どもに「いじめられている」と相談されたら結構ショックです。
でも感情的にならずに(あまり悲しんだり怒ったりすると、子どもが相談してくれなくなります)、まずは「つらかったね」と子どもの気持ちを受け止めてから、子どもの気持ちを尊重しつつ、担任に相談したりするのが良いかと思います。
そして、いじめがあまりにもひどく学校の対応も不十分だったら、学校を休ませたり、別の居場所を作ってあげる等選択肢を与えてあげることも大切かと思います。
子どもは自分で学校を変えたり、辞めたりすることはできません。
いじめられても無理して通うのは、努力とは違うと思います。
大人もそうですが、我慢し過ぎると限界がわからなくなり、最悪自殺に至ってしまう可能性だってあるのです。
学校だけに頼らず、子どもが今幸せに楽しく過ごせているかということを重視して対応していくのが良いのかなと思っています。
いじめる子にも早くからのケアが必要
毎日登下校に付き添っていて思うのが、低学年でもストレスが溜まっている子が多いなということです。
学校の後も毎日児童センターや習い事に行く子が多く、「眠い~!」と言ってイライラしている子も多いです。
そしてそんなふうにイライラしてストレスが溜まっている子たちが、学校の帰り道など大人が見ていない所で誰かをいじめている場面が多い気がします。
そういう子たちは学校でも特に問題がなく、親や先生もそこまで気を付けて見ていない感じがします。
私も含め、支援級に在籍していたりする子のお母さんは、毎日学校で何があったのか把握していたり、子どもの変化に敏感に気付きます(そうしないと、後々大きな問題になってしまうので・・・)。
でも、それ以外のお母さんが話しているのを聞くと、「学校楽しい?って聞いたらうんって言うから、それだけ~」という感じで、あまり子どもの変化に気付いてないんじゃないかなと思う時があります(全員がそうではありませんが)。
私ももし娘が場面緘黙症でなかったら、もうちょっと適当にほったらかして子育てしていたと思います。毎日学校で何があったかなんて把握してなかっただろうし、子どものちょっとした変化を見逃しまくって、何か問題が起きるまで気付かないタイプだと思います。
他の発達障害等の子を持つお母さんもそうだと思いますが、娘が場面緘黙症になってから、自分なりにいろいろ勉強して、たくさん考えて、毎日子育てに本気で向き合うようになりました。
登下校の時に「なんか不安定だな」と思う子やいじめのようなことを平気でしている子がいますが、そういう子は学校では良い子で何の問題もない子が多いです。だから心の中に不満やストレスがあっても、周りの大人になかなか気付いてもらえないんじゃないかと思います。
毎日送り迎えしているとよく「○○ちゃんだけいいな~」と言われたり、小さい声で「○○ちゃんだけずるい」と言っている子がいたりします。
「支援が必要な子」は先生や親に特別扱いされたり大事にされたりしますが、そこに対してうらやましいと思っている子も多いんじゃないかと思います。
そしてその思いが、いじめの一因にもなりうるのかなと感じています。
先日こんなツイートもさせていただきました。
子どもがいじめられるのはもちろん嫌だけど、いじめる側になってしまったら本当に取り返しつかないと思う。
毎日娘の登下校付き添ってると、低学年でもいじめの場面によく出くわす。
支援が必要な子は親や周りがちゃんとサポートしてる場合が多いけど、いじめる側の子にも早くからサポートが必要。
— 本田リオ@母子移住ライター (@rio_HMP) July 19, 2021
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支援が必要な子・いじめられる側の子だけでなく、いじめる側の子にも、大きな問題が起きる前にもうちょっと向き合ってあげる必要があるんじゃないかと思います。
いじめる側の子の心を早くからケアしてあげれば、その後いじめの被害に遭う子も少なくなる可能性があります。
いきなり根掘り葉掘り聞いても話さないと思うので、いつでも話せるような雰囲気にして心の変化に少しでも気付いてあげられるようにするのが良いと思います。
まとめ
自分の子がいじめられるのは絶対嫌。
だけど自分の子だけ守って「いじめないでね!」って言っても、根本の解決にはならないと思っています。
いじめてしまう子の方には絶対何らかの心の問題があると思うので、それを解決しないといじめをなくしていくことはできないと思います。
いじめたことを怒ってそこに罰を与えても何にもならず、むしろ闇はもっと深まります。いじめられる側を守るだけじゃなく、いじめる側にも心のケアや支援が必要だと感じています。
娘がいじめられたりいじめたりしないように、これからも学校任せにせずちゃんと見ていくのと同時に、周りの子達もなるべく気を遣わずに話せるような雰囲気で登下校の付き添いをしていきたいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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