3歳後半から場面緘黙症の娘も、小3になりました。
幼稚園の中で全く話せない、動けない、飲み食いできない、という状態でしたが、そこから少しずつ症状が改善しています。
今回は娘の現在の様子と、場面緘黙症が治ってきたきっかけは何か自分なりに考えたことをまとめます。
1年前との比較【症状の変化】
約1年前にも、場面緘黙症の症状が改善してきた理由についてブログに書いています。
↓こちら約1年前のブログです。
この時も、症状が1番ひどかった時にくらべてかなり良くなっていました。
しかし以下のように、まだまだ学校でできないことや困ってしまうこともありました。
さらにそこから1年経ち、またできることが増えました。完全に治ったわけではなく、逆にできなくなってしまった部分もあるのですが、全体的にみると以前よりもかなりリラックスして学校生活を楽しめています。
・支援級では担任や友達と普通に話せる(かなりおしゃべり)
・支援級の担任や支援員以外にも、3~4人の先生と話せた
・支援級では音読や発表、話し合いの司会などができる
・体育では支援の先生がいなくても原級でほとんど普通に参加できるようになった
・音楽では原級で普通に演奏したり歌えるようになった
・原級に仲の良い子が1人おり、授業中も休み時間もその子と話している
・しかし原級では仲の良い子1人以外、あまり話す機会がなくなってしまった
ちなみに1年前は、体育と音楽の時間に支援級を利用していましたが、現在は国語と算数の時間に支援級を利用しています。
支援級ではほぼ家にいるときと同じくらいリラックスして過ごせているようで、授業中も自分の考えを言ったり音読したり、たくさんおしゃべりできているようです。
また支援級の担任以外にも、教頭先生や専科の先生など何人かの先生とお話できるようになりました。学校の中に話せる先生が複数できたことは、娘にも私にとっても安心感が大きいです。
その一方で、1年前のブログで娘に親友ができたと書いたのですが、その子が転校してしまいました・・・。娘に初めてできた親友だったのでとても残念で、「また学校が嫌にならないかな?」と結構心配しました。
しかしその後別の仲の良い子ができ、毎日その子と学校で楽しく過ごしているようで良かったです。
このように1年前にくらべて学校でできることがさらに増え、楽しく過ごせるようになりました。
ただ支援級にいる時間が増えたため、原級ではこの仲の良い子1人以外の友達と話す機会が減ったという側面もあります。また3年間ずっと同じクラスのため、その中で急に話したり、できなかったことに挑戦したりということは難しくなっているように思います。
学校以外の場面でも、初対面の人と話せるようになるなどできることが格段に増え、かなり場面緘黙の症状が改善してきています。
場面緘黙症が治ってきたきっかけを分析
このように娘の場面緘黙の症状は、だんだん改善してきています。
そのきっかけについて自分なりに考えてみると、主に以下の点が挙げられます。
支援級の担任が変わった
うちは小2から支援級を利用していますが、小3の今までに3回も担任が変わっています。
担任が変わるのは心配もありましたが、幸いみんな良い先生でそれぞれ娘に良い影響を与えてくれました。
特に今の担任はあっという間に娘と打ち解け、今では何でもお話できる仲です。
娘の学校にもう一人場面緘黙の子がいるのですが、今の担任はその子をずっと見てきた経験もあり、毎回担任が変わるたびに1から話さなければいけない場面緘黙の説明もする必要がありませんでした。
先生を選ぶことは通常できないので自分ではどうすることもできないのですが、私の場合は小学校入学前に学校を選ぶ際、「学校の中に他に場面緘黙の子はいるか?」ということを聞くようにしていました。他に場面緘黙の子がいる場合、症状や対応についてわかっている先生が多い可能性があるからです。
もし学校を選べる場合は、他に場面緘黙の子がいたり、場面緘黙について詳しい先生がいたりする学校を選ぶと良いかもしれません。
必要な取り組みをしてもらえた
支援級で話せるようなきっかけをいろいろと作ってもらえたことも大きいです。
以前から支援級では様々な取り組みをしてもらっていましたが、現在の支援級の担任が娘の状況に合った取り組みをしてくれ、それによって話せることが増えました。例えば以下のような感じです。
- 最初は支援級の担任と1対1で授業→音読や発言などできるようになったら、他の子(支援級)も一緒に3人で授業→3人でも音読や発言などが普通にできるようになった
- 支援級にいる際に、いろいろな先生が遊びに来てくれた→それまで話せなかった先生とも、支援級の中ではお話できるようになった→学校の他の場所で会っても話せるようになった
最適なタイミングで必要な取り組みをしてもらえたことで話すことができ、それによって娘もだんだん自信を持つようになりました。
支援級の利用の仕方を変えた
支援級の利用の仕方を変えたのも、場面緘黙症が改善してきたきっかけだと思います。
以前は体育や音楽の授業の際に支援級を利用していましたが、そちらでは支援があまり必要なくなったこともあり、3年生からは国語と算数を支援級で受けることにしました。
国語と算数の授業を支援級で受けるのは、最初少し迷いました。「原級より勉強が遅れるんじゃないか?」とか「別に学力に問題があるわけじゃないのに…」というような思いがあったからです。
ただ、結果的に国語と算数を支援級で受けることにしたのは、うちの場合正解でした。
まずそれまで原級では、音読は飛ばされる、発表は先生や友達に代わりにやってもらう、というようになっており、授業中はほとんど座っているだけの状態。おそらく自分だけできないという劣等感が少なからずあっただろうし、黙って座っているだけの状態は緊張感とともにストレスがあったと思います。
国語と算数の授業を支援級で受けるようになってからは、音読や発表、話し合いの司会と少しずつ段階を踏んで挑戦させてもらい、いろいろなことができるようになりました。
そのおかげで「リラックスした状況なら自分もできるんだ」と自信につながり、どんどん積極的になって自分から何かに挑戦することも増えました。
また「原級より勉強が遅れるんじゃないか?」という心配も、うちの場合はそんなことはありませんでした。少人数だから娘に合わせてじっくり見てもらえるのもありますし、リラックスした状態で楽しく授業に参加できているので、逆に学習が身に付きやすくなったと思います。
支援級では様々な活動があるのでそちらに時間を割くことも多く、たまに原級より遅れることもあります。あと勉強の教え方だけで言ったら原級の先生の方が慣れているかもしれません(先生によると思いますが)。
だけど娘の場合は、様々な機会を与えてもらって自信が付いたこと、それまでずっと「つまらない」と言っていた学校の授業に楽しく参加できるようになったことなど、良かったことがとても多いです。
本来なら、原級でこのように少しずつ挑戦する機会を作ってもらえたら良いと思います。専門家の方や場面緘黙に関する本でもそう言われていますが、実際は難しいです。先生にもよるかもしれませんが、原級の担任は忙しくそこまでする余裕はないように思います。
無理に対応をお願いするよりも、子どもにとって学習しやすい環境、自信が持てる環境を選ぶ方が良いと感じます。
今後の課題
このように、支援級の中では場面緘黙の症状はほぼなくなり、それ以外も話せる人やできることが日々増えています。しかし原級の中では逆に、以前より話す機会が減ったり、話したいと思うことが少なくなっているという面があります。
支援級でできるようになったら次は原級でもできるようにしていこう!というのがよく言われることだと思いますが、私はこれ、結構難しいと思っています。
なぜなら、支援級と原級が違い過ぎるからです。
まず人数だけとっても、数人しかいない支援級と30人ほどいる原級では全然違います。教室の緊張感みたいなものも違います。
少しずつ人数を増やしていくのが良いと言われますが、それをするのがまた学校では難しいです。クラスメイトや原級の担任の協力を得るのも大変だったりします。
そもそもになってしまいますが、私は先生1人に対して子ども30人は多過ぎると思っているし、集団の中でできるようにならなければいけないともあまり思っていません。しかも先生もクラスメイトもずっと同じなので、いきなりキャラを変えるのは難しいと思います。だからそこはあまり無理せず、支援級の担任や本人の意思に任せたいと思っています。
なので、私がこれからしようかなと考えていることは2つ。
1つは、習い事や療育など学校以外の場所で多くの人と関わったり人前で話したりする機会をつくること。
最近、放課後や休日にやっている療育に行き始めたり、新たな習い事の体験に行ってみるなどしています。療育は支援級よりは人数が多く、原級よりは少ない環境。知っている人も1人もいないので、今の娘にとってはちょうど良いステップかなと思っています。
2つ目は、転校。
環境を変えるためだけでなく、今より少人数で娘に合った学校を選んでそこに通わせたいと思っています。場面緘黙の改善も目的の1つですが、それだけでなく娘の個性をより伸ばせるような環境を探してそこに行けるようにしたいです。なかなかすぐには難しいかもしれませんが、日々リサーチしています。
また何か変化があれば、ブログに書かせていただきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました☺
・支援級の担任と初めて数回ほど話せるようになったが、他の先生は誰とも話せない
・支援級では担任以外に誰かいると話せない
・支援級の同じクラスの子とは話せない
・体育では原級だと体が動かないことが多い
・音楽では原級だとほとんど演奏できない(支援級など人があまりいなければできる)、歌えない